この記事のカテゴリ:余命3年時事日記(引用)

自衛隊OB放談会 自衛隊総合火力演習【流用記事】

 巷間言われる「ネトウヨ」の人々の間では有名な
「余命3年時事日記」。

一般的にマスコミには一切報道されることのない
「特殊な時事問題」が非常に詳しく、
しかも「中の人」でしか判らないような問題について記載されている。

オリジナルのブログの日付順に時間のあるときにupしていくので、
御閲読いただければ幸いと思う

平成25年8月25日陸上自衛隊総合火力演習が東富士演習場で行われた。世界でも例のない公開実弾演習で、自衛隊のイベントとしてはもっとも人気のあるものである。一般国民にはアニメ感覚で豪快な花火を堪能できるイベントとして定着しつつあるが、一方で海外メディア、軍事関係者にとっては貴重な情報収集の場となっている。今回はこの総火演の考察をベースにした陸海空自衛隊OBの6名の方々との放談記録である。現役自衛官では何かと問題がありそうなので陸海空2名づつのOB構成となった。

司会....皆さんとりあえず顔見知りということで、気楽によろしくお願いいたします。まず今回の25日総火演の印象からお伺いいたします。
A....陸自にとっては一年間の集大成という最大イベントですが、今年は特に長年にわたって取り組んできたC4I機能の完成という点で戦闘集団としては世界一のレベルに達した記念すべき年になったと考えています。昨年登場した10式戦車を例にあげますと、戦車自体の機能は突出した世界一でした。それに各種車両、兵員、ヘリをはじめ空の情報も一元化、共有というC4Iシステムがこの1年で完成し、この規模の戦闘集団としては少なくとも米を含め他国を数年から10年はリードしたかなと考えています。個々の装備については同等あるいは越えているものもあるのですが、システムとして運用するにはすべてが同等のレベルであることが絶対条件です。中国空母遼寧が打撃艦隊を構成した場合、護衛艦隊がいくら高速艦艇で近代化されていてもその能力は前時代空母にあわせなければなりません。陸自はこの世界一の戦車にあわせたレベルでC4Iシステムを完成させ、実際に運用しているのです。
B....陸自が続いてすいません。観客の皆さんには戦車が右左にスラロームしながらの実弾射撃がことごとく命中するのがあたりまえ。アニメの世界です。しかし軍事専門家や各国武官はその困難さを知っているだけに、今年もため息としらけっぱなしでした。昨年登場の時の衝撃こそありませんでしたが、実際に目の前で見れば見るほどその能力差がこたえてくるのです。韓国K2戦車のパワーパックが今もって未完成です。高負荷耐久試験の段階でエンジン爆発、クランクシャフトが外に飛び出てくるという事故だったそうですが、実はこういう事故自体はよくあることなのです。そのよくあることが克服できていない。戦車の心臓部がこれでは先の見通しはつきません。総火演の凄いところはもうミスはないし、しないという絶対練度にあります。100発100中は最高の兵と武器装備そして運用能力が作り出す結果です。
司会....100発100中といえば米の演習場でのエピソードがいくつか話題になっていたことがありましたが...

A....私は2回行っています。日本の演習場では、広さの問題から行進間連続射撃や最大射程射撃訓練などが十分に出来ないので平成8年度から毎年9月に米ワシントン州のヤキマ演習場に砲や戦車を持ち込んで戦闘射撃訓練などを行っています。ヤキマ演習場で90式戦車で高機動テストや走行間射撃テストを行った際には、停止状態だと2km先標的をほぼ完璧に、走行間射撃では3km先の目標にも命中させました。近年では運用が完熟し砲も戦車も少なくとも全弾命中のレベルに達しつつあります。
命中率に関するエピソードといえば、これは後輩の時代ですが、派遣砲兵部隊の命中率が90%超え。米は約30%。そこで部隊指揮官は米に「ここは練習の場だ。超エリートを集めた特殊部隊を編成しても意味がない」と忠告されたことがあるそうです。
また後年、米のヤキマ演習場でNATOの戦車射撃競技会があって、米の推薦で自衛隊の90式戦車がお呼ばれで特別参加した事がありました。競技射撃の難易度は平易なもので、外した目標は1発だけ。圧倒的大差で優勝してしまいました。その夜のレセプションで日本クルーはお通夜状態の涙目。いぶかしむ他国のクルーに当たるべきものを外した自分達が恥ずかしいとのたもうたそうです。外国人に日本自衛隊はクレイジーといわれる所以です。
司会....砲の命中精度という点に関しては海自はどうですか。
C....今では艦隊同士が砲撃戦をするようなことはまずありえません。見えない距離からのミサイル戦となります。そこでAさんが言われたC4Iが海自では早期にイージスシステムとして導入されたわけです。海では航空機、ヘリ、潜水艦との情報収集と共有です。ところが今般の総火演での離島奪還想定演習をみて、先般の日米共同演習ドーンブリッツにおける艦砲射撃、強襲上陸作戦には海自の対応はできていないなと感じました。現実に仮想敵国がロシアから、中国となって、憲法では専守防衛であるが故に戦争となっても中国本土に艦砲射撃とか、強襲上陸とかはあり得ないわけで、海自は対空、対艦、対潜水艦を想定する戦備と戦略に特化していたからです。ところが尖閣問題を考えるとまさに海兵隊的攻撃とその援護には砲撃の正確さが絶対的に必要なんだということを改めて認識させられました。装備はそろっているので早急に運用方法の改善を進めているところです。
D....対空、対艦に限っていえば極端な近接戦はともかく、ほとんどの場合はミサイル
戦です。その命中率や精度については各国公表しているところはありませんが日本の場合は陸自がヤキマでの演習でアメリカ側の発射した対地、対艦ミサイルの迎撃訓練で全弾撃墜、それも約50発のうち半分は超低空・対地誘導その他、隠蔽技術をフルに活用した上での攻撃だったと聞いています。私の参加した海上演習では5発の内1発はずれました。米はそのときを含め一発もあたったのを見たことがありません。なにしろミサイルの値段が高いので、そう簡単に何百発も訓練に使うわけにはいかないのです。このミサイル訓練、韓国では1発発射。失敗。2発発射。失敗。それで訓練終了という状況だそうです。総火演では砲弾経費等20億円をこえるようですが小国では演習もままなりません。海自では陸自同様の高命中率ではないかと思っています。
司会....やっと空自の出番となりました。命中率にはこだわらずに....
E....戦闘機乗りは空に飛び出せば個人の能力と戦闘機の能力次第という時代がずっと続いてきました。しかし、今回総火演をみて近代戦はシステム戦なんだとあらためて思いました。戦場がどこであろうと陸海空三軍が一体化していないと近代戦は戦えないということを総火演は教えてくれました。もともと空軍は陸海との連係プレイには関心がなく、もっぱら戦闘機の機能性能にこだわってきました。F2に乗っていて敵がF22だと戦わずして負けというようなことが感覚ではなく実態としてあったのです。兵器の性能が勝敗を決定するのは当然といえば当然ですが、韓国のように日本がF35を導入するから我々も同様に、またそれ以上の数をそろえなければならないという単純な考えには今では無条件で賛同できなくなってきています。今回の総火演で特に印象深かったのは防御対策です。太平洋戦争時の無敵ゼロ戦の唯一の弱点は防御力でした。だいぶ前に確かアニメ漫画だったと思いますがこんなシーンがありました。1両の戦車が20両の敵戦車を発見。それに対して突撃を敢行、右に左に時代劇の殺陣のように敵の砲弾をかわして敵を殲滅してしまうというシーンでした。この漫画の世界を総火演では実際に10式戦車が演じているのです。このような演習ではどうしても射撃、突撃など派手な攻撃面に目がいきますが前進スピード70㎞はともかく、後退スピードも70㎞。時速50㎞における緊急停止距離2m。40トン超の鉄のかたまりがドンと止まります。右に左にスラロームしながら砲弾を自動装填しロックオンした標的を跳んだりはねたりしながら100%破壊する機能はすべて防御力につながっているのです。極めつけは搭載弾薬の爆発です。搭載する砲弾が爆発すれば戦車は吹っ飛びます。ところがこの戦車兵員の生命に被害がないように設計されているのです。ダイナマイトも野原で爆発させればただの花火です。このような兵員の命が大事という思考が随所に見られた総火演だったと思います。
司会....Fさん一巡目のトリととなりましたが...
F....私もEさんと全く同じ印象を持ちました。パイロットは出動すると肉体的にも精神的にも孤独になります。いってみれば不安のかたまりになるのです。ところが戦闘機の機体の設計製造から整備運用まで究極の攻撃力強化と同時に並行して兵員の生命の安全も図られているということは我々にとって最高の精神安定剤になります。(笑い)陸自でこれだけやっているんだから海自も空自も同様だろうという願望で。(笑い)
空自には陸自の総火演や海自の空母艦隊(笑い)集結のような国民にアピールする勇壮なイベントがありません。先般大型飛行艇US2が遙か彼方太平洋で遭難した2名を救出ということが話題になったくらいでフラストレーションはたまりにたまっていました。戦後の米の占領政策が大きく航空機産業の発展を阻害して空自装備はまさに第2米軍でした。その流れが中国の台頭と米の衰退とで、ここ10年大きく変わってきました。戦闘機のライセンス生産比率が大幅にアップし、開発についても基本的に制限はなくなりました。このような状況の中で、現在、技本において次世代ステルス実証機心神が来年には組み立ての工程に入ります。総火演でダントツ世界一の10式戦車をみたとき、私の脳裏には世界一のステルス戦闘機心神が浮かびました。ステルス性、レーダー関連、武装、操縦性、マッハ3をこえる有人戦闘機。F22を凌駕するのは確実です。今回は夢の総火演でした。
司会....ひとまわりいたしました。一つお聞きしたいのは自衛隊に比べて、各国、といっても米となりますが、自衛隊とはかなり能力、運用に差があるように感じたのですがこの辺についてはいかがですか。
A....あくまでも陸自のレベルの話ですが、確かにヤキマにおける演習、その他いずれの演習においても米の各種、砲の命中率は30%前後だと思います。日本は通算しても軽く90%はクリアしております。米英欧共通して低いのはおそらくは軍の教育システムの問題であろうと思います。砲に関しては当然関係する理論、技術の兵科があるわけですが、それは砲弾を発射するまであって、発射したあとは、あたるも、あたらぬも砲弾任せというのが実態です。ところが日本では発射した砲弾の制御まで勉強するのです。具体的には日本には砲術科が独立して存在します。士官、下士官、兵すべて砲兵に砲術は必須です。ところが欧米では防衛大学のような幹部候補を養成する士官学校たるものがありますが、幹部候補生は専門職ではなく部隊統率の管理職的方向へすすんでいるようです。よって下士官、兵レベルで実戦運用されるため進歩がないのです。また命中率に関しては、特に米軍幹部がそうですが30%の命中率であればその4倍ぶっぱなせ、そうすれば120%だろうという考えですから今後も変わらないと思います。
B....Aさんが指摘されたように、日本の実戦部隊はすべての兵員が専門職です。しかし日露戦争、帝政ロシアの時代にはロシアの陸海軍の上級職はすべてが貴族、そして買官でした。そして現在は中国人民解放軍にその傾向が見られます。大物政治家の息子というだけで軍の実績無視での超スピード進級。羅少将なんて人は戦場逃避のド素人でそんな人が尖閣問題は戦争で解決なんてわめいているのです。こういう体制の国は組織的にはしっかりしていても個々の部隊の能力や兵に必要な資質については全く期待ができません。日本は中学までは義務教育、そしてほとんどが高校進学、そして大学進学は当たり前という高学歴社会です。国民一人一人の教育水準最低レベルが極端に高くそれも平均しています。識字率100%はもとより計算基礎能力もピカイチです。また運転免許を持っている人が3000万人いるということは、少なくともトラック、装甲車、戦車を瞬時に操れる兵がそれだけいるということで、世界中でこんな国は日本だけでしょう。その優秀な国民がつくったものを100%の自信を持って披露する総火演は完璧にクールだと思います。
D....確かに、今回は天候の関係でダメでしたが、昨年見せた重砲の一斉射撃で空中に富士山をつくるという曲芸(笑い)は、さらっとやって観衆の拍手を浴びていました。しかしこれも軍事関係者にしてみれば仰天の世界で、一斉射撃の砲弾を空中で順番に高度差をつけて同時に爆発させるなんて0.01秒以下の世界のコントロールで我々も唖然としました。これは外国観戦武官には強烈なアピールで日本はいまだに忍者の国である(笑い)と言わせしめたと聞いております。
C....さきほどBさんが言われた資質の件ですが、まさにその通りで、先般、中国空母遼寧が出港して2日後には兵員の3割が船酔いでどうにもならなくなったという(大笑い)話はその典型例でしょう。たぶん船酔い訓練ではなかったと思いますので。(大笑い)
部隊は個々の兵員の集合体です。それぞれが役割を持って作戦行動をしています。相互に信頼があって、自分の役割を理解し、義務感をもって任務を完遂することで組織は成り立っています。この点において日本人は完璧だと思います。これが日本兵最強伝説を生みました。
E....空自でもスクランブルとか救難とか特に危険な部署以外には女性自衛官が増えてきました。基本的には能力差がないということと、なんと言っても自衛隊への理解が進んできたということが大きいと思います。また世界でも突出した技術力は最高の稼働率と安全を支えています。漏れ伝わる情報では、お隣韓国の戦闘機稼働率は悲惨なもので、保有する半分は自己メンテナンスができず飛行不能、かつ事故率も半端ではないと聞いております。公表されてはおりませんが、韓国最大の14000トン強襲揚陸艦で唯一保有する艦隊旗艦でもある独島は5月頃、4基のうち2基の発電機が故障。その修理に日本の発電機部品待ち。修理には約1年かかるだろうと聞いております。現在、運用しているようですから予備の2基ということでしょうが、軍用艦船の長期にわたっての予備運用は非常識の極みで、万が一この発電機まで故障なんて事態が起きたら、洋上で漂流なんて世界規模の大恥をかきかねません。また中国でも詳細はわかりませんが、秘匿できなかった重大事故だけでもかなりの数で、その悲惨な実態がうかがえます。中韓ともに精密部品の国内自給率は約70%前後といわれておりその不足部品の供給国はあろうことか仮想敵国である日本です。(大笑い)
F....戦闘機乗りにとって完璧なメンテナンスは戦闘の絶対前提条件です。今までは、そんなことは当たり前のことと、実際考えたこともありませんでしたが、こういう話を聞いていると何か身につまされるようで、ひたすら反省です。(笑い)
誰かの言葉ではありませんが日本人に生まれてよかったなと(爆笑)
司会....一区切りついたところで次のテーマに入りたいと思います。     つづく

2013-09-13 15:47
記事ID:150  1170PV  2014-07-15

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