だから事務所は必ずシャワー付が必須条件。
もう家に住んでるんだか、事務所に住んでるんだか分らない。
食事だって食べるのが面倒くさい。
寝てるとき以外はず~っと仕事してたかった。
あの頃の立早は、この間終ったフジTV「恋に落ちたら」の
ツヨポン演じるところの「鈴木島男」そっくりだったな。
でも仕事の交渉に関しては、
島男と組んだ後の「人間くさい高柳徹」とおんなじ。
「今なんつった?」
「今なんつった?」って
ぶちきれるあのシーンなんか自分を見てるみたいだった。
そりゃもう自分一人で「鈴木島男」と「高柳徹」を演じてるみたいなもんだから、
「恋に落ちたら」は猛烈に面白かったね。
今は自分でもIT関連やってるしね。
個人向きのサービスは一切やってないので、
立早のホームページは誰にも知られてないけど、
企業相手のWEBアプリ開発とか、レンタルサーバ、
もちろんホームページデザインなんかも全部自分でやるんだ。
すげー面白いよ。
またまた脱線してるんだけど、
立早はポリシーがないのがポリシーなのでそれくらいはご愛敬。
矛盾こそが立早の本質。
で、そのころは私が社長でデザイナーが当時付き合ってた彼女。
でもってN嬢も“一応”デザイナーとしてつとめてたわけ。
でもほら、N嬢は前述通り「大変危険」な人物だろ。
だから正直扱いに困ってたわけだわ。
だからとりあえず「お使いさん」とかやっててもらってた。
当然お使いさんだったら、仕事は普通に夕方終っちゃう。
私はいつも「Nさん先に帰っていいよ。」と言って帰した。
それは私がN嬢に意地悪したからじゃなくて、
用もないのにいつまでも会社に置いといたらかわいそうだから、
そうしてただけなんだ。
所がのこのN嬢はそうは感じてなかったらしい。
嬢を帰した後に私と彼女が毎晩、
あーんなことやこ~んなことして
楽しんでると思ってたみたいだ。
冗談じゃないよ。
忙しくて徹夜になってるのに、
そんな場合じゃないだろう!
でも人間一度そのような妄想に捕らわれちゃうと、
もうどおしても他の考え方はできなくなる。
超はげしいジェラシー攻撃が始まった。
とにかく彼女(Mちゃん)に対する態度がすごい。
いつでも「敵だ」とばかりににらんでる。
Mちゃん(彼女は)はそれでも上司だぜ。
上司を仇扱いする部下っていないよな普通。
しまいには「私は前世では社長の妻だった。」
「社長は私と結婚する義務がある」なんて言い出したわけ。
もちろん私は全然相手にしていない。
なぜなら彼女の生物学的固体特質が私の理論的嗜好回路の妥協基準を満たしていなかったからだ。
そういうと立早は面食い(言っちゃてるよ)だろって思われそうだけど、
全然そんなことない。
女性に関しては、「好きになった女性が好みのタイプ」なんだよ。
でもほら、彼女の生物学的固体特質が私の理論的嗜好回路の妥協基準を満たしていなかったし、
なにより「危ない奴」だからな。
ゴメンなのよ。
まあそんなこんなの日々だったんだけど、
ある日「社長、今日は徹夜して良いですか?」とN嬢が聞いたんだ。
「ええっ?どうして?そんな徹夜になるような仕事ないだろ。」
「だっていつもいつも社長とMちゃんだけ泊まっててずるい。
私だってたまには泊まったって良いじゃないですかー。」
(おいおいここは会社だ。ホテルじゃないぜ。何で泊まるのがずるいんだよ。)
「まあそんなに言うなら、徹夜で仕事しても良いけどさ…」てな会話があったんだ。
そうして夜も更けた。予想通り上司のMちゃんと部下のN嬢の喧嘩が始まった。
大声の罵り会いの後、
Mちゃんは「こんな馬鹿と仕事してられっか!」と
でて行ってしまった。
夜中だよ。
深夜1時。
まあその当時はどこの事務所も毎晩徹夜してたから、
Mちゃんは友人の社長のところで酒飲んでただけなんだけど。
それは(Mちゃんがでてっちゃッたことは)結局大した問題じゃないんだ。
その後危険な目に遭ったのは、私のほうなのよ。
しばらくN嬢が他の部屋に消えた。
私はとにかく仕事がしたいんで、仕事をしてた。
そうしたら「社長こっち見て」って声が。
私はドキッとしたね。
だってそのシチュエーションで「社長こっち見て」て言われたら絶対ヤバイって!
恐る恐るそっち見たね。
ジャジャーん!
泊まり用の毛布をかぶったN嬢がそこには立っている。
その中は見ないでも解るでしょ。パ○ツ一枚だよ。
私は瞬時にフリーズしたよ。でもフリーズは体だけで、頭脳はフル回転だよ。
私は独身だ、N嬢も独身である。当然何があっても罪にはならない。
But 彼女の生物学的固体特質は私の理論的嗜好回路の妥協基準を満たしていない。
いやそれでも、仮に何かあったとしよう。私は悪いか?悪くないんである。
独身男女がだれと付き合おうと、問題はないのである自由恋愛だ。
しかし、彼女の生物学的固体特質は私の理論的嗜好回路の妥協基準を満たしていない。
しかも、彼女は普段から「社長は私と結婚する義務がある」
なんていってはばからない。
悪いことに、彼女の父親は某高校の校長である。
とくれば、なにかあったら絶対結婚だ。
だめよだめだめ。
ライフカードのコマーシャルだっけ?
専務の娘だ「どーする俺!!」ってのあれだよあれ。
私はカチカチになったね。あっちじゃないゾ。
身体がだ(あっちもカラダだけどね)
N嬢はもう「Hが辛抱たまらん!」状態だったのよ。
多分あの時何かしてやれば、N嬢は落ち着いたんだと思う。
でも何もしなかった。
私が独身でなければ何かしたかもしれない。
あれー?ッて思うでしょ。
独身より既婚のほうがなんかしちゃっても問題ないわけ?って。
ところがそんなもんなのよ。
独身で何かあったら「責任とって結婚しろ。」と言われる。
既婚者だったら、ウルトラ裏技で奥さんから
「だんなを奪われました」と相手女性に訴訟起しちゃうの。
そしたら「だんなが浮気した」なんて事実はどっかへ吹っ飛んじゃうのよ。
まあ、立早は間違ってもそんな手段は使わないけどね。
だもんだからそのときはフリーズ以外に手段は無かった。
N嬢は「どうしてなにもしてくれないんですか」って泣いてたけどそのうち寝た。
その後は当然退職して、何事もなかった様に日常が…
ところが3ヶ月過ぎた頃かな?電話がかかってきたね。
「社長。愛してるって言ってください。」
かんべんしてくれー!