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戦うAD 1st

 さて今日は「東大でてるから偉い」と言った銀行役員さんのお話ね。

このお方、K氏は「人間の価値は学歴で決まる」と本気で考えちゃってるような、典型的日本型エリート・サラリーマン。

現在は定年退職したが元々はC銀行の役員さんだ。

現在は銀行も世間から叩かれ、“まともに頭を下げることを知る”人間がずいぶんと増えてきたと思うが、
この時代の銀行マン(業界では自称する時こう言うらしい)といったら、態度はウルトラマン並みにでかい。

身長50mぐらいありそうな態度Lだ。

このお方も例によって私のスポンサー企業が見つけてきた「じじいライター」だけど他のじじいライターと違うところは経験豊富な「ライター」さんだってこと。

いままでT誌(経済誌)とか、官庁で配ってるような経済雑誌なんかに随分と記事を寄稿したらしい。

でもって雑誌の記者連中から「先生、先生」と呼ばれていたもんだから、雑誌にかかわる人間は全て自分の僕(しもべ)だと信じて疑わない。

でもって私のC誌へご登場だ。

今回は経済人としての記事ではなく、趣味人としての寄稿だ。C誌は「じじい向けオタク雑誌」だからね。

ところがその内容ときたら、─もちろん長年書いているから語り口は軽妙ではある。ではあるんだけど─自分自身の自慢ばっかり。とにかく毎月「俺は東大を出た」が出てくるし、「年収1千ン百万円以上なのに、趣味で使って金がない」とか
教育の資格みたいのを持っているらしく、「講演会で全国を回ると金がザクザク入る」とか
とにかく最初から最後まで自慢のオンパレードだ。

で、ある時ページ割りの都合で、K氏の記事の間に広告が入るという形になり、目立たない場所になった。

とたんにクレーム電話だ。

「ああ、T50年史のKだけどね。何で俺の記事こんなページになっちゃってるの?」

「すみません。編成の都合で。」

「都合ってね、俺は良い場所に載せてくれるならって約束で契約してるんだぜ。こんな場所に移動するんじゃヤだよ。」

「いやーヤだといわれましても、編成の都合ですからもう移動はできないんですよ。」

「そこを何とかするのが、あんたの仕事だろ。なんとかしてよ。」

「といわれましても、他の方の記事を犠牲にもできませんので。」

「じゃあ俺の記事なら犠牲になってもいいのかよ。だいたい記事の間に広告入れるなんて失礼だろ。俺はそんな編成の雑誌見たことないよ。」

「いいえ普通にありますよ。続きは○ページ→というの」

「何だことの(馬鹿)!言うこと聞かないなら契約打ち切るぞ。」

まあ、このての爺さんはみんなこんな感じだ。他人は全て下だと思ってるからね。

ところが私は
「怖いものがまるでない」のだ。契約なんていつでも切ってくれて良いよ。だってこちらがお金もらってるんじゃないんだぜ。
お金もらって書いてるのはK氏のほうだ。経済人のくせに経済の基本がまるっきり解ってない。

ローンなどの金利を払って“儲けさせてやってる”銀行利用者はお客様なのに、
「金を貸してやってる」とデカイ面するでしょ?あれが身に染みちゃってるのね。

一般常識は全く逆だよ。お金を出すほうが普通は偉いの。銀行に対してだって金利を払ってる利用者の方がエライのだ。

まあ脱線してるが、そんなじじいだから相手にしてもしょうがない。だもんで
「解りました。じゃあページを移動しましょう」と答えたよ。

でどうしたと思う?もっと全然目だたないページへ移動してやったね。

次の月またまたクレームだ。

「おいお前。言ったことが解ってるのか?もっと良い場所に移動しろよ。それからな、今度家のほうへも遊びに来い。俺の趣味を見せてやる。」

ここがちょっとK氏なりに駆け引きしてるのね。態度はLのままなんだけど、一応ページを勝手に移動する権利が私にあると読んで、
「遊びに来い」つまり、私を値踏みする作戦に出てるわけ。

「はあ暇があったら伺います。」
って私は雑誌の記者じゃないんだ。ぜ~ったいにK氏の所なんて行く訳がない。

まあ私としてはかなり頭にきてるから、K氏からクレームがつくたんびに目立たないページへ移動。
それでも足りないときはデザインをわざとダサくする。なんてことしたわけ(卑怯者?)

でもって、極めつけは私の写真入りのカラー見開きのページの隣にK氏のモノクロ記事を乗っけたわけ。

愕然としたんじゃない?

いままでず~っと雑誌の記者連中から「先生、先生」と呼ばれてきたから、ライターが一番偉いと思ってたわけでしょ。

その偉いライターさんよりもっと良い場所に私の写真のってたんだから。
長年階級社会に慣れ親しんできた者の性(さが)だね。私のほうがエライんだと思ったらしい。

次の月からは電話で

「あのー私、T50年史のKでございます。実は記事についてお願いがございます。」

でましたー!伝説の“逆てのひら返し”威張る奴はいつかしっぺ返しを受けるのだよ。

それからK氏がどうなったか。私は知らないし、風の噂でも聞かない。

まあじじいの悪口を書いたんで、次の機会に
物凄くえらいのに礼儀正しい先生のことでも書こうかと思う。
乞うご期待

記事ID:46  2617PV  2005-07-02

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