嫌いなものほど良く覚えるのはなぜ?
 朝日新聞の8/5におもしろい記事が載っていた。『札幌市の食品会社がジンギスカン味のキャラメルを開発した。このキャラメルは非常にまずく、商談中吐きだされたり、店頭に「マズイ。(本当)」と張り出されたり、製造中止を訴えるはがきが会社に届いたりとさんざんである。しかし、同社の“美味しい夕張メロン味”を抜いてひと月7万個も売れている。』のだそうだ。
解るなー。そのカンジ。立早もそうだけど、あまりにもマズイマズイって言われると、どれだけまずいか、どうしても食べたくなるじゃん。それで「うわー本当にまずいぜこれ。」っていって忘れた頃にもう一度“確認”したくなるの。でまた食べちゃったりして…。
けっこうまずさにハマル。立早が良く経験したのは、まったく好みじゃない“アンチ美人”女性の顔を、どれだけ好みと違うかを確認したくて、ついついみちゃうの。でもってあまりにもチラチラ見ちゃうから、逆に「気があるのか」って思われて、意識されちゃうとか。
といって、わざわざ本人に「いいえ勘違いしないでください。あなたに気はありませんから。」なんていったら、余計言い訳みたいに聞こえるだろ?だからといって、“アンチ美人”に意識されっぱなしというのはどうも…
それとかさ、嫌いなコマーシャルほど良く見るし、コマソンなんかも嫌いなものほど良く覚えちゃうよな。
嫌いな歌であるほど、朝起きたら頭の中でテーマソングのごとく鳴り響いてて、その日一日頭の中でかかってるの。でもって最悪なのは嫌いな歌を、知らないうちに口ずさんだり…どいうわけか人間は、嫌いという感情が一番強いらしくて、好みと反対のもののほうが印象に残るな。
「嫌い嫌いは好きの内」って昔の人は言ったけど、(今もいうか)ヤッパそうなんだろうなあ。広告だって、玄人受けするカッコイイ広告よりもごちゃごちゃした“スーパーのチラシ”や“バッタ品屋のチラシ”のほうが広告としての効果は大きいもんな。
それを知っててわざと“ダサイ広告デザイン”にしてるのに、代理店の若手担当者から「文字を商品に乗せない事」とか「文字が赤いのはセンスが悪い」とか「ごちゃごちゃしすぎ」なんていわれちゃうと、けっこう頭にくるよ。
しかも、代理店に直せと言われて直したら、結局クライアントはごちゃごちゃしてダサイ広告のほうが良い。て言う事が多かったり。
ほらな。こっちは知っててやってるんだよ。あんたのキャリアの何倍デザインやってると思ってるんだよ。って思うけどね。わかんないだろうなあ。広告代理店のサラリーマン・デザイナーは単純に「制作プロダクションより絶対的に自分のほうが才能がある」って信じてるからな。
まあ本人達はそれで幸せだろうけどね。それで“井の中ナントヤラ”の感覚のまま独立なんかして、すぐ潰れちゃう奴なんてのを、こっちは死ぬほど見てるけどね。
まあ他人の事はどうでもいいか…それで話は戻って、ジンギスカンキャラメルはなめればなめるほど口の中にニンニクの味が広がって、「たいていのつらい事は忘れられるくらい、まずい」んだってさ。
製造会社の広報自らそう言うンだから、すごいな。突き抜けてるよな。ブレイクスルーだよ。エライ!
記事ID:69 520PV 2005-08-08
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