ではなぜ金本位制を各国がやめてしまったのかの理由は、世界の経済規模が地球上の全ての金を合わせても“全く足りない”状態になってしまったことの他ならない。
ちなみに全世界の経済規模は年間3,534兆円ほど(2003年の世界国民総所得31兆$×114円で算出)であり、全世界の金総量は15万トン金額にして420,000,000,000,000円(420兆円)しかない。(1g2,800円として)
そのような状況で人々が“価値がある”と信じていた貨幣の価値が信用されなくなると、「お金をいくら積んでも物が買えなくなる」という状況になりハイパーインフレになるのだ。
現在、経済活動は国内だけで完結することは不可能であり、自国で調達できないものは海外から購入する必要がある。
海外から購入するのは、外国の人に「その貨幣で額面通りの物が買える」と信用してもらわなければならないのだ。
話が戻って人々が価値があると信じるとはどういうことかといえば、その国の国家に入って来る税金が、“人々の経済活動の結果として課税されて得た税金である。” ということである。
その貨幣には実績がある。実績があるから価値があるのだ。という前提で成り立っている。だからこそその国家が発行した紙幣は価値があると世界が認めてくれるというわけだ。
それが景気が極端に悪い国では、お金は印刷したただの紙に戻ってしまうのだ。なぜそうなってしまうのかは、景気が極端に悪い国特有の行動にあり、「税収がないとお金を使えない。お金を使えないと景気が良くならない。」
という発想に基づき“お金をいくらでも印刷してしまう”ということにある。これを輪転機経済と呼ぶ。
国内だけで完結している経済であれば、お金がいくらでもあるイコール好景気にもなるかもしれないが、前述通り国内完結型経済は今やどこにもない。物は外国から買わなければいけない。
それが価値の裏づけなしにどんどん印刷された紙だったら、誰も受け取ってくれない。ここでまた問題なのだが、誰も受け取らないのであれば、そのお金で物が買えないのだからお金は流通しない。流通しなければハイパーインフレにはならないのだ。
ところがここで「今までの10倍のお金を払えば受け取ってもらえるでしょうか?」という人が出れば、そのお金を受け取る国が必ずある。
そうすると10倍レートが通常となってしまい、またまた「今までの10倍のお金を払えば受け取ってもらえるでしょうか?」ということになってしまうのだ。
こうなると国内の物価もどんどん上がってしまう。だって今までの10倍の値段で仕入れた商品なのだから、損をして売ることはできない。
当然仕入れに見合った金額で販売する。高くなったら売れなくなるのが通常の教科書の説明だが、実際はそうはならない。
なぜなら、もうその時点では今までどおりの金額では外国から商品を購入できないので、国内では圧倒的に物が不足している。
物がなければ「幾ら払ってでもそれが欲しい」という人がたくさん出てくる。たくさんの人が欲しがるのだから、いくらでも高くなってしまう。
これの繰り返しがハイパーインフレの正体だ。
さて、このような状態になったらもうどうすることもできない。ただひたすら時が過ぎるのを待つしかない。
デノミなどを行う国家もあるが、実はあまり関係ないのだ。時がいつしか解決してくれるのである。
日本がこのような事にならないように筆者はひたすら祈っているのでありました。
ところで、このような悪夢を経験しないで済ますには、金を買うしかない。
金を購入するにはT中貴金属あるいは三Bマテリアルで現物購入をお勧めする。間違っても金購入のペーパー商法などを利用してはいけない。
金は一般人でもいくらでも購入できる。なぜわざわざ購入代理店で購入する必要があるのか?金の購入代理業(ペーパー商法)を利用する人の気が知れない。