つまり金儲けよりもやりたい夢にまい進するスタイルだ。
そんな夢を持った人に悪い人はいないし、「会社は人で成り立っている」
という当たり前のことが分かる人たちであった。
であるからこそ、昔の経営者は「安売りをしてはいけない」ということを良く言った。
それはつまり、私(筆者)が前回言った「何でも値切るなら自分の首を絞めることになる」
をちゃんと理解している人だからこその発言なのだ。
しかし今の時代に業績を伸ばしている会社の経営者は違う。
前述のように全ての費用は「仕入れ」であると考えるから、「会社にとって大事なのは人」
という思考を一切持っていない。「仕入は安いほうが良い」ということしか考えない。
求めているのは利益のみで、良い仕事をしたいというポリシーがないのだ。
だから人はどんどん酷使するし、給料はまともに払わない。ということが平気で出来る。
私などは常日頃「営業が世の中を悪くしている」とまで発言している。
その発言の真意はこうだ。
現在一般的な営業が行っていることは、
「社長その仕事、今いくらでやってます?」
「いやー高いですねえ。うちならその2/3。いや上手くすれば半値で出来ますよ。」
などというとんでもないスタイルの営業だ。
そんなことをするから世の中どんどん景気が悪くなり、人がどんどん不幸になるじゃないか!
前回も言ったように「安けりゃいいならタダしかないんだよ!!」
ということが全く分かっていないのである。
そもそも資本主義の基本は
「同業他社と同じような商品に、いかに付加価値を持たせて高く売るか?」
なんである。
ところが現在営業職の人間が行っているのは全くの逆!
それで低迷しない経済なんて存在しないだろう。
だからそんな仕事をしている人間が経営者になれば、いい会社になるわけなどない。
会社の経費で最もかかるのは人件費だ。だから人件費を一番に削る。
どうやって?
それはブラック企業として有名な「ユニ真黒」のやり方を見ればわかるだろう。
まず社員に残業を禁止する。
そして残業したものには罰金を科す。
その上で残業しなければ絶対に達成不可能なノルマを与える。
当然社員は罰金がいやなので、
「退社のタイムカードを切った後に深夜まで残業」するはめになる。
この方法は見事に「会社にとって一粒で三度美味しい」システムだ。
給料をまともに払わず、しかも罰金で雑収入を上げ、さらにタダで残業させると。
会社はまるで損することがない。それどころか毎月社員の残業が
平均でも100時間は下らないというのだからこんなにおいしい商売はないだろう。
100時間の残業代を仮に月10万円と計算しても×社員の人数分だ。
これは儲からないわけがない!!
しかも悪いことに社員に対してはとんでもなくブラックであっても、
お客から見れば「良い会社」なのである。
他社と同じような商品であっても、他社よりも安く提供してくるのだから
お客としてはうれしいのだ。
まさにそのような状態だから、会社だけは社員の犠牲の上での大儲け。
株主やマスゴミやらから「経営の天才」とか「時代の寵児」などと持ち上げられる。
これが現在「優秀」と言われる経営者がみんなブラックな理由だ。
全くいやな世の中になったものだ。