一般的国民の気持ちとしては、ただでさえ不況まっ只中の世の中、大型テレビなどを購入すれば、その分どこかで節約することを考えるだろう。電通総研の経済効果予測のほうが、第一生命経済研究所のそれより、約2.3倍も多くなっているのは、経済効果の上がるほうだけみていて、下がる分を計算に入れない広告代理店系研究所なるゆえの見通しの甘さか?
今の時点でも大型テレビが売れて売れて…などというニュースは聞かないのだが、真実はどうなのだろう?
恐怖の偽札MJ-310Cとは何か。
ワールドカップの経済で、もう一つ気になる記事を。 “週刊プレイボーイ誌・No.19・20合併号(5/7・14号)”の見出しに踊っていた「大パニック!恐怖のニセ札MJ-310CがW杯真っ最中の日本を直撃!!」というのが気になり、まるでカラープリンタの型番のようなその贋札の現物に関する資料や、うまくゆけば画像なども手に入るのではないかと、NETで少々検索してみたのだが、見つからなかった。(同誌はすでに売り切れ)
外国人が大挙してやってくる時期には当然偽札もたくさん入ってくるだろうとの記事なのであるが、それでなくとも今年の偽札流通量は増大している。
横浜の”http://www.namiki.ne.jp/“などでは、交番便り(というのも面白いタイトルだが)のトップ項目が「偽札に注意」となっているぐらいである。
5月末になってもまだ1月のデータがHPに載っているということで、データとしては少々古いのだが、それにしても偽札が多いことは確かである。
この辺の事情は本誌2月号ですでにお伝えした、パソコンやカラーコピー機で簡単に製作できる「カジュアル・カウンター・フィート」(出来心の偽造)に加え、日本から中古の印刷機を安く導入できる台湾の業者による精巧な製版、印刷技術を用いた「プロの仕事」のもの。
さらに2月号でお伝えしていない、もう一つ偽造の方法があるのだ。それは、製版を必要としない製版とでも言うべきもので、前出の中古印刷機による133線印刷と言うのは、本物の札を製版カメラで撮影して原版を作るものだが、その際に高い製版能力を要求される。しかしこの工程でスキャナーを使うという第三の手法が存在する。
詳しくは省くが、現在では初心者向けのスキャナーでも、光学解像度1200dpi(実に1ラインあたり0.02㎜の読み取り精度)という性能があたりまえになっている。これでスキャンしたものを直接製版フィルムで出力すれば、贋札制作のプロでなくとも驚くほど精巧な贋札が出来てしまうのだ。この方法を贋札偽造団が知らないはずがない。これからも贋札の出現は後を絶たないことであろう。